【青学WSD】自分自身のコアから出発するワークショップのプログラムデザイン
2016年6月12日(日)
この日は、22期生がグループで企画したワークショップのプログラムを実際に実施してみる、実習当日。5会場同時進行で、合計15グループのワークショップが行われました。
この実習に参加者として協力してくれるのは、講座の修了生の方々。
今期は、70名近くの修了生が参加してくださり、受講生、参加者あわせて、150名規模、過去最大級の実習となりました。
今回の実習では、まず「自分がやりたいワークショップ」の企画を考え、その企画に込められている、自分自身のこだわり、想い=「自分のコア」を明らかにし、各自のコアをつなぐ大きなコンセプトを、実習グループの「グループコンセプト」としてテーマを作成しました。
各グループのグループコンセプトに基づいて生まれたワークショップは実に様々。
ワークショップ終了直後には、参加者から感想を聞く時間があり、さらに、その感想をもとに、自分たちがデザインしたプログラムの本質的な課題を探るリフレクションにも取り組みました。
最後に、今回の実習でお世話になった5人の講師の方から総評をいただきました。
小島潤子さん(2期修了生:HRインスティテュートコンサルタント)
「WSDを受講していた当時、私は企業研修の仕事で日本全国かけまわっていました。
WSDという、会社以外の場所に顔を出して気づいたのは、研修というスタイルは、学びのスタイルの中で、戦力としては、つまようじのようなもので、私はそのつまようじで日本全国を耕そうとしていた、ということです。そして、今の自分のままでやっても、デザイン力、ファシリテーション力をは何も変わらないと思ったので、講座終了後は、自分自身を徹底的にほぐすことに向き合いました。それは、WSDで出会った仲間とともにです。この数年で、ファシリテーターが持つべきセンスを少しはつかめたかなとは思いますが、短い期間でそれをつかむのは難しい。
今回の実習で自分が感じた気持ち悪さや、今、自分がどういう状態なのか、最大限の注意を払って、講座中に、いろんなものを拾ってほしい。」
横山仁一さん(9期修了生:舞台演出家・プロデューサー)
「全体的に、プログラムデザインにもう少し仕掛けがほしかった。例えば、自己紹介のワークで、その人から、まんまの情報を引き出すのではなくて、油断して言っちゃったことから思いもよらない情報が出てくるまでには、もっと仕掛けが必要。ただの自己紹介大会じゃなくて。
今回、うまくいかなかった部分は、将来に向けての鉱脈になると思っていい。
面白そうだけど、うまくいかなかったこと、それが、実は自分のワークショップの個性になるかもしれない。うまくいかなかったところを捨てるのではなくて、逆に目を向けてもいい。」
安斎聡子さん(2期修了生:ミュージアムプランナー)
「プログラムを組み立てるときに、参加者をのせて、最終ゴールにどう持っていくのかを考えることは大切です。その背景に、自分たちが持っている目標、到達点に向けて、何ステップで活動してもらうか、イメージを持っておいたほうがいい。ストーリーラインのようなものがないと、自分たちの思い通りの参加者が来ていない場合、即興的にどう変えていいのかがわからなくなります。これは、参加者をコントロールするという意味ではなく。こんなことをもち帰ってくれると嬉しいな、というイメージを、それぞれの段階で、頭の中に描いて、それにふさわいい仕掛け、プログラムトータルのストラクチャを考えてもらうといいと思います。」
内山厳さん(5期修了生:G office 代表・演劇人・HRDコンサルタント)
「参加者が主体的に活動に入る、没入するための要素を考えてほしい。
これをやってください、はい、やりました、の行ったりきたりではなくて、ついついやってしまう、想定外に主体的に動けるインセンティブを、どうデザインできるかがポイント。
これは持論ですが、力量形成をするためには、参加者を観察することが一番の学びになると思っています。こういう指示があったときに、参加者がどういう反応を示すのか、そのサンプルをたくさん集めることが非常に有益だと思っています。
それから、ワークショップデザイナーだから通じる言葉を、一般の人、外部の人にも伝えられる言葉を持ってもらいたい。他の人にも伝えられる言葉を身につけてほしい。」
田野邦彦さん(1期修了生:演出家)
「今回の実習では、ワークショップをデザインするときに大切にしたい自分のこだわりを出発点にする、スタート地点にすることをやってもらった。この、こだわり=コアは、あくまでも出発点です。
ここが終着地点ではない、ということを覚えてほしい。
今回、感じたのは、自分が伝えたいことの範囲の中にいくつかのワークをピックアップして入れていたな、という感じ。
みなさんが伝えたいものを伝えるための手段として、こういうゲーム、こういうワークを入れるというのは、予定調和になりがち。
大事にしていることを伝えたい、というのは、研修、講座のほうが向いています。
本来、ワークショップは、大事なことを伝える場ではなくて、共有、感じてほしい場であるはず。
グループのコアはあくまでも出発点。伝えたいことの相対ではなくて、出発点です。
今回、成功した、失敗したいろいろあると思いますが、あとあとになって考えたときに、あとあと生きてくることがあります。
グループメンバーでやりとりをしながらでつくるというのは、難しかったと思います。
このやりとりを、スムーズにするのではなくて、ぶつかり合うことで、面白いことに出会えるのでは。
今回の経験をもとに、次の新しいステップに旅立っていただければと思います!」
5人の講師の方々は、全員、講座の修了生です。
ご自身が、講座を受講中に、今の受講生同様、苦しい思いをしながらも、自分自身の学び、気づきをつかみ、今もなお、実践を通して学び続けていらっしゃる方たちです。
企画段階にも、様々なアドバイスをいただき、受講生にとって腑に落ちないこともあったかもしれませんが、その腑に落ちない引っかかりが、実は、自分自身の学びにつながることなのかもしれません。
22期生のみなさん、おつかれさまでした。
そして、実習にご協力くださった修了生の方々、
最後まで、受講生の伴走をつとめてくださった講師の皆様、ありがとうございました!
この日は、22期生がグループで企画したワークショップのプログラムを実際に実施してみる、実習当日。5会場同時進行で、合計15グループのワークショップが行われました。
この実習に参加者として協力してくれるのは、講座の修了生の方々。
今期は、70名近くの修了生が参加してくださり、受講生、参加者あわせて、150名規模、過去最大級の実習となりました。
今回の実習では、まず「自分がやりたいワークショップ」の企画を考え、その企画に込められている、自分自身のこだわり、想い=「自分のコア」を明らかにし、各自のコアをつなぐ大きなコンセプトを、実習グループの「グループコンセプト」としてテーマを作成しました。
各グループのグループコンセプトに基づいて生まれたワークショップは実に様々。
ワークショップ終了直後には、参加者から感想を聞く時間があり、さらに、その感想をもとに、自分たちがデザインしたプログラムの本質的な課題を探るリフレクションにも取り組みました。
最後に、今回の実習でお世話になった5人の講師の方から総評をいただきました。
小島潤子さん(2期修了生:HRインスティテュートコンサルタント)
「WSDを受講していた当時、私は企業研修の仕事で日本全国かけまわっていました。
WSDという、会社以外の場所に顔を出して気づいたのは、研修というスタイルは、学びのスタイルの中で、戦力としては、つまようじのようなもので、私はそのつまようじで日本全国を耕そうとしていた、ということです。そして、今の自分のままでやっても、デザイン力、ファシリテーション力をは何も変わらないと思ったので、講座終了後は、自分自身を徹底的にほぐすことに向き合いました。それは、WSDで出会った仲間とともにです。この数年で、ファシリテーターが持つべきセンスを少しはつかめたかなとは思いますが、短い期間でそれをつかむのは難しい。
今回の実習で自分が感じた気持ち悪さや、今、自分がどういう状態なのか、最大限の注意を払って、講座中に、いろんなものを拾ってほしい。」
横山仁一さん(9期修了生:舞台演出家・プロデューサー)
「全体的に、プログラムデザインにもう少し仕掛けがほしかった。例えば、自己紹介のワークで、その人から、まんまの情報を引き出すのではなくて、油断して言っちゃったことから思いもよらない情報が出てくるまでには、もっと仕掛けが必要。ただの自己紹介大会じゃなくて。
今回、うまくいかなかった部分は、将来に向けての鉱脈になると思っていい。
面白そうだけど、うまくいかなかったこと、それが、実は自分のワークショップの個性になるかもしれない。うまくいかなかったところを捨てるのではなくて、逆に目を向けてもいい。」
安斎聡子さん(2期修了生:ミュージアムプランナー)
「プログラムを組み立てるときに、参加者をのせて、最終ゴールにどう持っていくのかを考えることは大切です。その背景に、自分たちが持っている目標、到達点に向けて、何ステップで活動してもらうか、イメージを持っておいたほうがいい。ストーリーラインのようなものがないと、自分たちの思い通りの参加者が来ていない場合、即興的にどう変えていいのかがわからなくなります。これは、参加者をコントロールするという意味ではなく。こんなことをもち帰ってくれると嬉しいな、というイメージを、それぞれの段階で、頭の中に描いて、それにふさわいい仕掛け、プログラムトータルのストラクチャを考えてもらうといいと思います。」
内山厳さん(5期修了生:G office 代表・演劇人・HRDコンサルタント)
「参加者が主体的に活動に入る、没入するための要素を考えてほしい。
これをやってください、はい、やりました、の行ったりきたりではなくて、ついついやってしまう、想定外に主体的に動けるインセンティブを、どうデザインできるかがポイント。
これは持論ですが、力量形成をするためには、参加者を観察することが一番の学びになると思っています。こういう指示があったときに、参加者がどういう反応を示すのか、そのサンプルをたくさん集めることが非常に有益だと思っています。
それから、ワークショップデザイナーだから通じる言葉を、一般の人、外部の人にも伝えられる言葉を持ってもらいたい。他の人にも伝えられる言葉を身につけてほしい。」
田野邦彦さん(1期修了生:演出家)
「今回の実習では、ワークショップをデザインするときに大切にしたい自分のこだわりを出発点にする、スタート地点にすることをやってもらった。この、こだわり=コアは、あくまでも出発点です。
ここが終着地点ではない、ということを覚えてほしい。
今回、感じたのは、自分が伝えたいことの範囲の中にいくつかのワークをピックアップして入れていたな、という感じ。
みなさんが伝えたいものを伝えるための手段として、こういうゲーム、こういうワークを入れるというのは、予定調和になりがち。
大事にしていることを伝えたい、というのは、研修、講座のほうが向いています。
本来、ワークショップは、大事なことを伝える場ではなくて、共有、感じてほしい場であるはず。
グループのコアはあくまでも出発点。伝えたいことの相対ではなくて、出発点です。
今回、成功した、失敗したいろいろあると思いますが、あとあとになって考えたときに、あとあと生きてくることがあります。
グループメンバーでやりとりをしながらでつくるというのは、難しかったと思います。
このやりとりを、スムーズにするのではなくて、ぶつかり合うことで、面白いことに出会えるのでは。
今回の経験をもとに、次の新しいステップに旅立っていただければと思います!」
5人の講師の方々は、全員、講座の修了生です。
ご自身が、講座を受講中に、今の受講生同様、苦しい思いをしながらも、自分自身の学び、気づきをつかみ、今もなお、実践を通して学び続けていらっしゃる方たちです。
企画段階にも、様々なアドバイスをいただき、受講生にとって腑に落ちないこともあったかもしれませんが、その腑に落ちない引っかかりが、実は、自分自身の学びにつながることなのかもしれません。
22期生のみなさん、おつかれさまでした。
そして、実習にご協力くださった修了生の方々、
最後まで、受講生の伴走をつとめてくださった講師の皆様、ありがとうございました!
by aogakuwsd
| 2016-06-14 15:03
| 講座のようす
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
最新の記事
【ワークショップデザイナー2.. |
at 2019-02-14 15:52 |
【青学WSD】身体表現WSを.. |
at 2018-10-02 21:55 |
【青学WSD】29期講座がス.. |
at 2018-09-21 15:53 |
【青学WSD】28期対面講座.. |
at 2018-08-21 17:44 |
【青学WSD】子ども向けワー.. |
at 2018-08-21 17:39 |
【青学WSD】子ども向けワー.. |
at 2018-07-24 16:01 |
【青学WSD】子ども向けワー.. |
at 2018-07-18 15:51 |
【青学WSD】ワークショップ.. |
at 2018-07-13 10:04 |
【青学WSD】28期 大人向.. |
at 2018-06-20 13:00 |
【青学WSD】28期 1回目.. |
at 2018-06-12 18:11 |